大雪で車が立ち往生したら|排気口の雪を掘る

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大雪で高速道路や幹線道路が止まり、車列が動かなくなる。この状況でいちばん多くの命を奪ってきたのは、寒さでも事故でもなくマフラー(排気口)が雪に埋まったことによる一酸化炭素中毒です。暖を取るためにエンジンをかけたまま眠り、そのまま気づかないという経路をたどります。

JAFのユーザーテストでは、雪に埋まったガソリン車の車内で、一酸化炭素濃度が警報レベルの50ppmに達するまでわずか1分24秒。その後も上昇を続け、18〜50分のあいだに測定上限の300ppmに達しています。「少しの間だけ」が通用しない速度です。

この記事では、立ち往生に巻き込まれた瞬間から救助までに何をすればいいかを、順番どおりに整理します。

モモ
モモ

エンジンを切ったら凍えちゃうよね?暖房なしでどう耐えるの?

キューちょう
キューちょう

だからこそ「排気口の雪をかき出してからエンジンをかける」が答えなんだワン。切りっぱなしにするんじゃなくて、掘って・回して・止める、を繰り返すんだワン。順番を覚えておけば、寒さも中毒も両方避けられるんだワン。

📌 この記事でわかること

いま困っている人向け。必要なところだけ読んでください。

  1. 最優先の3つ|この順番を崩さない
  2. JAFの実験でわかっていること
  3. 一酸化炭素中毒のサインを覚えておく
  4. 寒さから身を守る(エンジンを止めている間)
  5. 雪道に出る前に積んでおく9点
  6. 救助を待つあいだにやっておくこと

※ 急ぎの人は、自分の状況に近い項目から読んでOKです。

最優先の3つ|この順番を崩さない

① 排気口(マフラー)まわりの雪をかき出す

雪が排気口をふさぐと、排ガスが車体の下から車内に回り込みます。車の後ろ側、マフラーの出口から半径1m程度を、地面が見えるまで掘るのが基本です。降り続いている状況では30分〜1時間おきに掘り直します。スコップがなければ、車載工具・ペットボトル・サンバイザー・凍結防止スプレーのボトルなど、手に入るもので構いません。素手で雪を扱うと一気に体温を奪われるので、手袋か靴下を手にかぶせてください。

② エンジンは「つけっぱなし」にしない

暖房が必要なときだけエンジンをかけ、車内が温まったら止める。これを繰り返します。かけている間も窓を数センチ開けて外気を入れること。エアコンは内気循環ではなく外気導入に切り替えます。眠気を感じたらエンジンを切る。これは中毒の初期症状と眠気が区別できないためです。

③ 燃料を守る

立ち往生は12時間を超えることがあります。エンジンを断続運転にするのは中毒対策であると同時に、燃料を持たせるためでもあります。冬季に雪道を走るときは、ガソリンは半分を切ったら給油という運用にしておくと、そもそも追い詰められません。

やってはいけないこと

  • エンジンをかけたまま仮眠する(もっとも事故が多い行動)
  • 雪をかき出さずに「少しだけ」暖房を使う
  • 窓を完全に閉め切ったままエンジンを回す
  • ガソリンを気にして厚着せずに耐える(低体温症のリスク)
  • 徒歩で車を離れて助けを探しに行く(吹雪では方向を失う)

JAFの実験でわかっていること

50ppm(警報レベル)到達まで 約1分24秒
測定上限300ppm到達 試験開始から18〜50分の間
対象 雪に埋もれた状態でエンジンを回したガソリン車
JAFの推奨 適切な換気/エンジン停止/車両まわりの除雪
電気自動車の場合 排ガスによる中毒はないが、雪に埋まると身動きが取れなくなるため除雪は必要

※出典:JAFユーザーテスト「大雪による車の立ち往生〜車内環境の変化〜」。数値は試験条件下のものであり、積雪量・風向き・車種によって変動します。

一酸化炭素中毒のサインを覚えておく

一酸化炭素は無色無臭です。においで気づくことはできません。頼れるのは症状だけです。

段階 あらわれる症状 とるべき行動
初期 頭が重い・軽い頭痛・なんとなく気分が悪い すぐエンジンを切り、窓を開ける
中期 強い頭痛・吐き気・めまい・判断力の低下 窓を全開にし、可能なら車外の空気を吸う。119番
後期 立てない・意識がもうろうとする・眠気に抗えない 自力での対処は困難。同乗者が引き出し、救助を呼ぶ

「眠い」は危険信号です。暖房の効いた車内で眠くなるのは自然なことですが、立ち往生中の眠気だけは中毒と区別できません。眠気を感じたら、まずエンジンを切ってください。

モモ
モモ

症状が出てからだと、自分で窓を開ける力も残ってないかもしれないってこと?

キューちょう
キューちょう

そうなんだワン。だから症状が出る前に「掘る・回す・止める」を習慣にするのが本当の対策なんだワン。気づいてから動くのでは遅いことがあるんだワン。

寒さから身を守る(エンジンを止めている間)

上に着るより、体の内側と足元から

車内で冷えが進むのは足元からです。靴下の重ね履き、ひざ掛け、新聞紙を足に巻くだけでも違います。シートに直接座り続けると背中から熱を奪われるので、毛布やダウンを背もたれとの間に挟むのが有効です。

体を動かす

15〜30分おきに、座ったままでいいので手足を動かします。じっとしているほど体温が下がり、判断力も落ちます。

水分を取る

寒い車内では喉の渇きを感じにくく、脱水に気づけません。脱水は血流を悪くし、凍傷・低体温症のリスクを上げます。少量ずつでも飲み続けてください。

雪道に出る前に積んでおく9点

品目 優先度 理由
スコップ(折りたたみ可) ★★★ 排気口の除雪が生死を分ける。車載工具では足りない
防寒具(毛布・ダウン・カイロ) ★★★ エンジンを止めている時間を安全に伸ばせる
飲料水と行動食 ★★★ 12時間以上の停滞を想定する
モバイルバッテリー ★★★ 救助要請と情報収集の生命線
長靴と防水手袋 ★★☆ 素手・革靴での除雪は体温を急速に奪う
簡易トイレ ★★☆ 外に出る回数を減らせる
けん引ロープ・脱出用ボード ★★☆ わだちにはまった段階なら自力で抜けられる
懐中電灯(ヘッドライト型) ★★☆ 夜間の除雪は両手が空くタイプが必須
布ガムテープ ★☆☆ 窓の隙間ふさぎ・道具の補修に使える

スコップは「車に積んでいたか」だけで結果が変わります。長靴と防水手袋も同じで、除雪を何度も繰り返せるかどうかは装備で決まります

救助を待つあいだにやっておくこと

位置を正確に伝えられるようにする

高速道路ならキロポスト(100m単位の標識)、一般道なら交差点名・施設名を控えます。スマホの地図アプリで現在地の緯度経度を確認しておくと、通報時に一度で伝わります。

バッテリーを節約する

画面の明るさを落とし、不要なアプリを切る。動画やSNSの連続視聴は避けます。連絡先は家族のうち1人に絞り、その人から他へ伝えてもらう形にすると通信量も電池も節約できます。

ハザードは点けっぱなしにしない

停止直後は後続車への合図として必要ですが、車列全体が完全に止まって時間が経ったあとは、バッテリー消耗を避けるため状況を見て判断します。夜間や視界不良時は点灯を優先してください。

モモ
モモ

12時間って聞くと、ぜんぶ準備が必要なんだね…。

キューちょう
キューちょう

ぜんぶは要らないんだワン。スコップ・防寒具・水・モバイルバッテリーの4つがあれば、残りは何とでもなるんだワン。この4つだけ、冬のあいだトランクに置いておくんだワン。

よくある質問

エンジンは完全に切ったほうが安全ですか?

排気口の雪をかき出していない状態では、切るのが安全です。ただし氷点下で長時間エンジンを止め続けると低体温症の危険があります。除雪してから短時間かけ、温まったら止める、という断続運転が現実的な答えです。

電気自動車なら一酸化炭素の心配はありませんか?

排ガスが出ないため中毒の心配はありません。ただし電力は有限で、暖房を使い続ければ走行可能距離が急速に減ります。また雪に埋まって動けなくなる点は同じなので、車体まわりの除雪は必要です。

除雪はどのくらいの範囲をすればいいですか?

最低でもマフラー出口から半径1m程度、地面が見えるまでが目安です。降雪が続いている状況では30分〜1時間おきに掘り直してください。

助けを呼びに歩いて行ってもいいですか?

吹雪の中では数十メートルで方向を見失います。車は風雪を防ぐシェルターであり、捜索側からも見つけやすい目印です。原則として車内にとどまってください。

立ち往生は何時間くらい続きますか?

過去の大規模事案では10時間以上、長いケースで丸一日を超えています。「数時間で解消するはず」という前提で燃料・水・防寒を計画しないでください。

まとめ|覚えるのは「掘る・回す・止める」

大雪の立ち往生で命を落とす原因のほとんどは、防げるものです。

  • 掘る:マフラーまわりの雪を、地面が見えるまでかき出す。降り続くなら繰り返す
  • 回す:暖房が必要なときだけエンジンをかけ、窓を数センチ開けて外気導入にする
  • 止める:温まったら切る。眠気を感じたら必ず切る

そして車に積んでおくのは、スコップ・防寒具・水・モバイルバッテリーの4点。これだけで、立ち往生は「危険な事故」から「長く不便な待ち時間」に変わります。

モモ
モモ

掘る・回す・止める。これなら覚えられそう。

キューちょう
キューちょう

それでいいんだワン。一酸化炭素は50ppmまで1分半しかかからない。だからこそ、症状が出る前の行動がすべてなんだワン。

この記事を書いた人|もしもナビ編集部(運営: Miyabi)
日本在住の運営者Miyabiと編集部が、公的機関・自治体・メーカー公式情報などを調査して執筆しています。緊急時は必ず公式窓口(119・#7119等)の案内を優先してください。 コンテンツ制作ポリシー

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